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造形作家

青木千絵(35回生)

黒く艶ある人間の足 美しい漆の造形

青木千絵(35回生)

 「漆の造形作品を見た時、黒の艶に飲み込まれそうな感覚にとらわれた。恐怖感と半面になった美しさに引かれました」

 岐阜市御望に生まれ、加納高校美術科から金沢美術工芸大学工芸科へ進学。時を同じくして漆と出合い、以来、一貫して人間の足をモチーフに漆塗りで仕上げた「BODY」シリーズを手掛ける。
 モデルとするのは自身の足。上半身を黒い塊に飲み込まれた作品群に、漆との出合いで得た感覚が投影されている。「無重力空間を気持ち良くふらふらするようなイメージ」だという。
 立体美術に興味を持ったのは、かつて県美術館の学芸員を務めた父正弘さんの影響。「子どもの頃は段ボールで何かを作るのが好きだった。県美術館にもよく連れて行ってもらいました」
 現在は金沢市のアトリエで創作活動に打ち込む。何度も漆を塗り重ね、じっくりと磨いて艶を出す伝統技法を用いるため、一つの作品が完成するまでに3カ月から半年かかる。
 「もともと難産型。先は見えないが、作品づくりは続けていきたい」。前向きな29歳だ。
(岐阜新聞 2011年2月9日掲載)